1 (略)
2 前条の規定により、行政書士が作成することができる契約その他に関する書類を代理人として作成すること。
3 前条の規定により行政書士が作成することができる書類の作成について相談に応ずること。
ということで、あくまでも「行政書士として作成可能な書類を代理人として作成」すること、であるので、他人の代理人になりえない。(=弁護士との違い)。
慰謝料請求や離婚時の当事者の話し合いの際、代理人になって相手方と直接交渉することは弁護士法違反であり、違法行為である。
また、裁判所に提出する書類は作成不可であるので、調停や裁判における書類作成・及び相談は不可と認識している。その手前までの「示談書作成」について、アドバイスをしたり、示談がまとまるというときに示談書を作成したりすることを業務とする。
これらの証拠は、すべて確保しておくこと。離婚や慰謝料請求を考えている場合は、疑惑が確信に変わるまで夫を問い詰めたりせず、泳がせておくという手がある。また、問い詰めるときには、その会話は録音しておくことがベスト。
また、浮気の証拠集めと同時に、無収入になっても半年は暮らせるだけの現金の確保をすべく努力すること。(婚姻費用分担の協議をしても無駄だった場合、調停をすることになるが、それでも時間がかかるため、半年分程度の蓄えは必須である。)実家が近い場合は実家に戻ればいいが、実家に戻れない場合は、最低でも150万程度(引越し資金20~30万円、敷金・礼金を1・0としても8~10万円程度、その他、諸経費5~10万、家賃8万円程度×6=48万円、生活費月10万×6=60万は必要になる。小さな子供がいる場合は特に注意が必要。
この段階で弁護士に相談する人は少数だか、弁護士に相談した場合は、相談料として30分5000円。離婚の裁判を依頼するのであれば、着手金20~30万、成功報酬等で、離婚と親権の問題だけで50~70万円というところが多い。そこまでやらないにしても、相談も有料であることを考えると、何か権利主張しようにも費用がかかることをよく考えて、くれぐれも突発的な行動をしないようにすることが大事。
<始期と終期>
書面での請求、調停時から認められるケースが多い。過去にさかのぼって請求することは可能ではあるが、難しいため、別居を考えたらすぐに請求もすることをお勧めする。
また、方法としては必ず内容証明郵便を使用し、協議書作成をするようにお勧めしている。
本サヤに戻る、または離婚に至ったら、今回の婚姻費用分担の問題は終わる。(もちろん、仲良く婚姻していれば、お互いに分担し合うことになる。)
<婚姻費用の具体的な金額の算定>
「資産、収入その他一切の事情」による。
多くの裁判例では、実際の総収入から税金、社会保険、職業費(総収入の15%前後)を控除し、さらに住居費を特別控除している。
そこから、教育費、医療費や負債の返済を固定費として控除することもある。
夫が年収500万のサラリーマン、妻はパート等、子供1人であった場合は、別居中に夫からもらえる金額は8万程度であろう。この場合は家賃にしかならない。
生活は楽ではないことをよく考えること。基本的には、離婚を前提としない別居はあまりお勧めではない。
まず、浮気相手への慰謝料請求であるが、そもそも浮気とはなぜ罪か?である。
婚姻関係にある夫婦は、お互いに「貞操義務」を負うものとされる。そして、貞操義務違反は裁判上の離婚事由にもなり、不法行為である。(民法770条1項1号・・・配偶者に不貞な行為があったとき。=裁判上の離婚事由)だから、その不法行為をともに行った相手方は「共同不法行為」をしたことになり、配偶者からの損害賠償請求(=慰謝料請求)を受け入れなくてはいけなくなる。
どういう損害かというと、「婚姻共同生活の平和の維持という権利、または法的保護に値する利益を奪われた」という損害である。逆にいえば、既に破綻している夫婦の一方と肉体関係をもった第三者は、特段の事情のない限り、他方配偶者に対して不法行為責任を負わない。
まず、内容証明を使う理由であるが、内容と、送付日時を証明する必要があるから。慰謝料請求の時効は、不貞の事実と相手が分かってから3年であるので、その期間内に請求しなくてはいけないし、示談不可能で裁判所等を経由しての解決を図る際、内容証明でないと証拠能力が低いからである。
実際に、事務所でおこなったサポートでも、初期費用を惜しんで普通郵便を使用し、その後調停になって苦労している案件がある。そのようなことを考えると、時候を気にする問題や、裁判を睨んだものについては内容証明を使用することを強くお勧めする。
相手方は、内容証明がきたら、まず他方配偶者(つまり、浮気相手)に連絡をとる。夫の浮気相手に慰謝料請求をした場合、その女性が夫に電話をかけて、夫は妻を責める。その際に、暴力・暴言、精神的虐待などが起こることが多いため、あらかじめ荷造りをしてから浮気相手に慰謝料請求をするか、別居後に慰謝料請求をすることをすすめている。
なお、内容証明を送付したら「名誉毀損だ」と怒ってくる人もいるが、名誉毀損とは民法上では、「人の価値の社会的評価を違法に侵害すること」であって、例えば、「この人はうちの夫と不倫したー!」などと大声で叫ぶとか怪文書をその人の家の近所に配るとか、そういったことであり、内容証明の送付は通常は名誉毀損にはならない。
夫と、相手の女の「共同不法行為」による損害賠償(慰謝料)は、不真正連帯債務であり、2人の間で求償権が問題になることもある。
つまり、夫が、女性に対してお金を渡すということで、奥さんからみれば「女に払わせりゃいいのよ」といいたいところであるが、それは止めることが不可能と思われる。
もともと、一義的に責任を負うのは夫であり、相手女性への慰謝料請求権を認めたがらない判例もあることに注意が必要。
慰謝料請求をして、慰謝料支払いの合意書ができたら、合意書として作成し、さらに、場合によっては公正証書にする。(公正証書については、次の「4」の中で説明します。)
1 の裁判離婚の際に考えること
* 計画的な離婚のすすめ・・・生活の安定を考えよう。
・ 離婚後の住居・・・賃貸住宅を借りるにしても、保証人が必要で、家賃の支払い能力があるかどうかを審査されるのが通常。専業主婦がいきなり賃貸住宅を希望もしても実際には困難と思われる。無職で収入もない状態では貸してくれるところは期待できない。
・住宅ローン・・・若年層の離婚では、ローン残高が多いので「負の財産」となっていることが多い。ローン支払いが夫名義になっている場合は、夫がそのまま支払いを続けていくという約束をすることが無難。ローンの支払い義務者を変更できるかどうかは、銀行などともよく話をすることが必要。
夫が会社員で妻が専業主婦だった場合、現行制度では夫の老齢基礎年金を除く老齢厚生年金部分はすべて夫のものだった。そのため、妻が受け取れるのは、妻自身の国民年金による老齢基礎献金のみで、かなり小額である。2004年4月の年金改革法案の成立によって、婚姻期間中に支払った厚生年金などの受給権を夫婦で分割できるようになった。
これにより、妻は夫の老齢厚生年金の上限50%まで請求が可能になった。
ただし、この制度が利用できるのは2007年の4月以降に離婚した夫婦が対象。2008年4月からは、夫の厚生年金(報酬比例部分)のうち、婚姻期間相当分については自動的に半額が受け取れる。
生活について思い描くことができたら、「財産分与」と「慰謝料」のお話を始めます。
A 慰謝料について
よくテレビなどで「慰謝料1000万」などというような芸能人のニュースがあるが、あれは慰謝料ではなく、「財産分与」も含まれているものと思われる。
慰謝料の金額というのは、あらっぽい計算をするとするならば、結婚年数×20万 という試算も行われる。また、日本では離婚時の慰謝料が300万以下というのが多く、(平成元年ごろ・・離婚夫婦の80%以上)ゼロの場合もかなりある(30~35%か)。
離婚原因のトップ「性格の不一致」では、一方が不法行為などで相手方に損害を負わせたわけではないので、慰謝料は取れない。ただし「性の不一致」(性格の不一致のうち、かなりの比率で性の不一致が認められる)で、いわゆるセックスレス状態が長期にわたって継続した場合は、慰謝料を取れる。
夫が妻に支払う場合が多いが、妻が浮気をふるったり、夫に対して暴力をふるうなどの行為があったり、セックスを拒み続けていた場合は、妻のほうから夫に慰謝料を支払う必要がある。
慰謝料の金額については、絶対コレという基準はなく、一切の事情を勘案して算定する。
目安としては、有責性の程度、慰謝料を請求する側の精神的、肉体的苦労の程度、慰謝料を請求する人の生活力(収入、職業、年齢、再婚の可能性など)、同様に、慰謝料を支払う人の経済力、婚姻までの経緯、期間、婚姻期間、子供の年齢、子供の環境など。そういったすべてを考えて決める。
B 財産分与について
例えば、夫が浮気をして離婚になった場合でも、夫は財産の半分は請求できる。有責配偶者であっても、これは問題ない。夫名義の財産でも、結婚後に築いた財産ならば、原則として半分に分ける。
どういうものが「共有財産=財産分与対象になるもの」かというと、預貯金、貯蓄型の生命保険、不動産、有価証券、ゴルフの会員権、リゾート施設の会員権、年金、退職金(退職に近い夫婦のみ。)などである。これに対して、「特有財産=財産分与の対象にならないもの」かというと、独身時代からの財産、夫婦の一方が経営している会社(会社には法人格がありいくら配偶者が経営していたとしても会社は独立した第三者とみなされる。
ただし、配偶者が株を持っている株式は対象になり、会社設立時に一方が出資金を負担していたときは財産分与の対象になる。)日用品、資格など。(ただし、一方の収入で、歯科医師、弁護士などの高収入が得られる資格を取得した場合は別。)
そのほか、相続財産なども「特有財産」であり、分与の対象とならない。
借金がある場合、一方がその負債を支払う義務はないが、相手の借金の連帯保証人になっている場合は離婚しても保証人であることには変わりなく、保証債務が残る。クライアントさんの中にも、夫の借金の連帯保証人になっていて自己破産に追い込まれる人もちらほらいて、無一文状態で離婚になっているケースもある
C 「公正証書」の活用
離婚に際して、慰謝料、財産分与のことを口約束にしないで、必ず「書面」に残すようにしてください。これを「離婚協議書」などと呼びます。
協議内容は、慰謝料、財産分与、親権、面接交渉権その他当事者に必要な事項すべてです。
ただ、本人同士の合意書は合法・適法がどうか不明であり、のちのち裁判沙汰になることがあり、また判決を経ないと強制力がありません。
判決にいたる手続きは手間・暇・少々お金もかかるので、強制執行認諾約款付「公正証書」にすることをお勧めする。
そもそも「公正証書」とは何かということがあまり知られていないが、「公正証書」とは「契約の成立や一定の事実を、公証人が実際に体験したり、または当事者から聞いて、それに基づいて公証人が作成する書類」です。つまり「公」に「正」しいことが「証明」されている書類です。
その「公正証書」の中に「強制執行認諾約款」(=強制執行をしてもいいですよ)という文言をいれておけば、金銭債権については強制執行が可能です。「公正証書」が金銭の一定額の支払いについてのものであり、強制執行認諾約款が記載されているものであればそれは「執行証書」呼ばれ、と「債務名義」の一つ(=強制執行を行うことを認める文書)になる。
行政書士として、この公正証書とどう絡んでいくかについて。
まず、クライアントさん(大体は妻)とその配偶者(大体は夫)の両者で話し合ってもらい、話し合いの内容を「離婚協議書」にしてもらう。この協議は、かなり時間がかかり、お金の支払いについては細部にわたり取り決めが可能。また、決める必要もある。
メインクライアントである30代前後のクライアントさんには、財産はあまりないけども小さい子供がいるケースが多いので、一番気になるのは養育費の問題。養育費は、調停などでは一人につき3万、というふうに一律で決めてしまうことが多い。
たしかに、現段階では夫も若く、支払い能力もなかったりするが、将来的には通常は収入も増えていくので、段階的に養育費を増額していく取り決めをあらかじめしておくことも可能。支払いの期日、方法、その他、細かいところまで決めておく人もいる。
養育費のほか、財産分与、慰謝料、親権、強制執行を受け入れるか否か、連帯保証人をつけるか否か(債務者側に打診する)について決めておく。
「離婚協議書」ができたら、公正証書作成準備にかかる。
公正証書を作成する際に必要なものは、「離婚協議書」(=合意内容)、当事者および連帯保証人が公証役場にいける場合は、委任状は必要ない。例えば、当事者同士が公証役場にいって公正証書を作成する場合(署名・捺印)は、私のやることは
1 「離婚協議書」、当人の運転免許証、パスポートのコピー、戸籍謄本 を公証役場に送る。
2 公証人からの意見をきく。OKであれば、公証人手数料と雑費の合計額を聞く。
3 公正証書作成日(公証人があらかじめ書面を作成しているので、当日は署名捺印のみ)
これで完成ということになる。
本人たちがいけない場合は、実印による委任状が必要。
「夫婦関係解消」または「円満調整」
何を相談していいか分からないという理由で、
不安がありながらご利用にならない方がおられますが、
そういう方ほど、後ほどお困りになる方が多いので、ぜひ、ご利用下さい。