⇒ 無料相談
 実際に管理を行うのは

 
管理組合運営について議案審議を要するたびに総会を招集することは、理にかなった方法ではないため、総会で選任された理事が管理組合を代理して、議案を検討する執行機関が理事会です。

 戸建住宅と違い、各自が管理する部分(専有部分)と、全員で維持していく部分(共用部分)が同じ建物に存在するため、どうしても権利関係が複雑となっています。
 さらに、価値観の異なる居住者の集合体であるが故に区分所有者全員の合意形成が難しいうえ建物自体の修繕をタイミングよくローコストで実施できるような長期修繕計画の策定もしなければならない。
マンション資産価値の保全には様々な努力が不可欠となり、管理組合の理事はこうした責務を課せられることになる。
 これほど重要な役割であるにもかかわらず、輪番制で理事を選出しているマンションが多いようです。(長期間同じ人物が理事を勤めると色々な形でゆがみが発生する恐れがあるし、自ら志願する居住者自体、皆無に等しいため、致し方ないとおもいますが、やはり向き・不向きもあるようにおもいます。)

 理事・役員の素質は

 法律や設備・設計などに明るくないとしても、やる気と管理に対する問題意識の高い住人でないと、管理運営の中心として組合を取り仕切るのは難しいのではないかとおもいます。
(会社員の場合は本業との両立を余儀なくされるため、役員を断ることもあり、その結果、リタイヤされたご年配や自宅で仕事をしている自営業の方、規約で認められていれば配偶者が役員となるケースが多く見受けられます。)

 世代間の考え方にも格差があり

 築年数が20〜30年を超えるようなマンションでは「世代間の格差」が大きく明暗を分けることがあります。この程度の築年数になると、居住者構成が「新築時からの入居組(原住民)」と「中古での購入組(新参者)」に二分されます。
 だいたい年齢が前者では60歳代、後者では30歳代といった具合になります。
 まさに親子ほどの世代ギャップ!
60歳代ともなれば体の衰えが気になり、老後の心配も現実味を帯びるだけに、バリアフリー化などにも関心が高まる一方、30歳代ではその実感が薄く他人ごとに近い。
 さらに原住民は過去の歴史を重要視するのに対し、新参者としては現状の利便性に関心が高い傾向にあります。

「マンションは公共施設ではないので、一部の人のために全員が費用負担することはない!」
「一部の人だけが恩恵を享受するのに、自分が付き合わされるのはご免だ」
という意見もあります。色々な価値観があって当然ですが・・・。

 バリューアップ工事は通常、総会を開催し内容によっては特別決議(区分所有者および議決権の各4分の3以上の賛成)を経なければならないだけに、こうした格差の溝を埋めるのは容易ではありません。

生まれも育ちも異なる人々が1つの共同体として生活するマンション

マンション管理への無関心化がささやかれるなかで、自分の意見をはっきり伝えることは評価できますが、時として自己主張がエゴとなってしまい、周囲への心配りが薄れてしまうと、”人種差別”と似たような行き過ぎた結果を招く危険もあるとおもいます。