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 居住用としての分譲マンションが昭和28年に日本に初めて誕生してから、すでに50年を超えますが、技術の進歩や生活水準の向上によって、当時の建物は現在の我々には住みにくいものと化しています。
しかし、いざ工事を検討すると様々な問題が浮かび上がり、管理組合を悩ませることになってきます。

マンション居住者が自宅で地上デジタル放送を見るには?


 マンション(共同住宅)の場合、現在の地上アナログTV放送の電波は屋上などに設置した共同受信設備(アンテナ)により一括受信し、各家庭へ配信する仕組みになってます。そのため各世帯が個別にアンテナを立てることはしていませんが、地上デジタルTV放送も現行のUHF地上アナログTV放送と同じUHF帯を使用するため、原則として共同アンテナに手を加えることなく、地上デジタルTV放送を楽しむことができます。

しかし・・・
既設のアンテナが地上デジタルTV放送の周波数に対応していない
UHFアナログTV放送の電波と地上デジタルTV放送の電波が異なる方向から来る
既存施設がVHF帯のみを伝送している
といったケースでは、アンテナの方向調整やアンテナ自体の交換が必要になることもあります.


 その際注意したいのは、共同受信設備は「共用部分」なので、管理組合として共用部分を変更するには総会の決議を経なければならない点です。「形状または効用の著しい変更」を伴うことは考えにくいので、定足数は普通決議(区分所有者および議決権の各過半数)で問題ないでしょう。当然、工事に伴い発生する費用は、持分割合に応じて組合員全員で案分することになります。


 また、CATV(ケーブルテレビ)が導入されているマンションでは、CATV会社が早期のデジタル再送信を進めているので、対応が完了した時点からCATV経由で地上デジタルTV放送を楽しめるようになるはずです。   ただし、現在使用しているテレビで視聴するには「セットトップボックス(STB)」という機器を新たに接続しなければならない。
 また、CATV会社の伝送方式によっては、周波数変換に対応した地上デジタル放送対応テレビでなければ見られない場合もあるので、新たに地上デジタルテレビに買い替える際には、現在契約しているCATV会社の伝送方式に対応しているかどうか、事前に確認するとよいとおもいます。

マンションでも導入例が増えるなか、屋上緑化にはどういった魅力があるのだろう?


 
機能面では、遮熱効果が期待できるのも魅力的。
 最上階の部屋は太陽の照り返しが強く、夏期はエアコンが効かないと言われますが、屋上緑化によるクールダウン効果によって室温の上昇を抑えることができ、引いては電気代の節約にもつながっていきます。(同時に屋上面の紫外線対策にも効果があり。)
 また、特に都市部ではコンクリート舗装ばかりで土が少ないため大雨になると洪水が問題視されますが、この点も屋上にある土壌が雨水を吸収することで抑制が可能となるでしょう。
 既存マンションで屋上緑化を検討しはじめるきっかけは「大規模修繕時の屋上防水工事」が多く、屋上防水層を改修する際に同時に緑化も行う例がほとんどだそうです。建築基準法には一定の基準が定められているので積載加重にもとづいた緑化プランを心がけることが不可欠となってきます。
(新たに屋上緑化を行うと助成金を支給してくれる自治体もあります。)
 一般的に屋上の利用頻度は低く、立ち入りを禁止しているマンションもありますが、工夫ひとつで建物の資産価値を高める要因となりえるだけに屋上の有効活用を検討することは有益といえるのではないでしょうか。

マンションで水道水がどのように配水されているか?


 給水方式にはいくつかの方式があるが、大きく分けると直結方式と受水槽方式があります。
直結とは水道本管と各戸を受水槽を介さずに直接結ぶことを意味し、受水槽方式はその名のとおり本管からの水道水を一度水槽へ貯めおいてから各戸へ給水する方式です。
 ほどんどの既築マンションは水道本管からの水道を一度受水槽へ貯めて、受水槽から各戸へ配水する方式を取っています。
 断水によって水道本管からの給水が止まった場合に、受水槽方式であれば水槽内に水が貯まっているかぎり、マンション居住者はしばらくの間その貯水を利用することができる。
 また、水道水の品質(衛生面)とも関係します。受水槽方式では断水時のようなメリットがある一方で、受水槽へ貯めおくことで雑菌が混入したり、光透過性が高い材質の受水槽では藻類の発生による汚染が起きることも考えられるため、点検頻度を増やすなど衛生上の対策が重要になってきます。

増圧直結方式
 水道直結方式の圧力不足を増圧ポンプを通すことでパワーアップし、中低層マンションでも利用できるようにした方式。受水槽や高置水槽を必要としないため清掃費などの維持管理コストを削減することができるが、大規模マンションでは採用できないのが難点とされる。

高置(高架)水槽方式
 水道本管から引き込んだ水を一度受水槽へ貯め、揚水ポンプを使って屋上などに設置された高置水槽へ揚水し、そこから重力を利用して各戸へ給水する方式。既築マンションで最も多く採用されている方式だが、屋上へ高置水槽が設置されることにより美観や日照権が損なわれること、また受水槽の衛生管理が問題視されはじめたこともあり、新築マンションではあまり利用されなくなっている。

圧力タンク方式
 水道本管から引き込んだ水を一度受水槽へ貯めるところまでは高置水槽方式と同じだが、その後加圧ポンプによって圧力タンクに給水し、圧力タンク内の空気を加圧させることで各戸へ給水する方式。特徴としては、空気圧で圧力を加えてあるので各階の住戸の需要に応じて給水が可能となり、主に小規模マンションで採用されている。高置水槽は不要となる。

タンクレスブースター方式(ポンプ直送方式)
 本管からの水を受水槽へ貯水するまでは同じだが、空気圧を利用する圧力タンク方式とは異なり受水槽の水を給水ポンプの直接的な力で各戸へ給水する方式。圧力検査器が取り付けられており、圧力の変化を感知することで給水圧力を保持する仕組みになっている。美観などの観点から高置水槽を設置しない傾向が強まっており、最近の新築マンションでの採用が増えている。

 築20年程度を経過すると給水・排水とも配管の老朽化が進み、漏水事故が増えてきます。そこで管理組合としては配水管内の補修や管自体の交換を検討するようになるが、その際に給水方式の変更を視野に入れるといいとおもいます。

 どの方式が最適かはマンションの規模や築年数・使用されている配管の素材、さらに工事予算によって管理組合ごとにまちまちですが、衛生面の向上や給水設備の維持管理コストの削減などメリットも多いので、これから大規模修繕工事を控えたマンションでは議題のひとつとして取り上げてみてはいかがでしょうか。

給排水管の工事の難題?


 一番の問題は配管が床下やパイプスペースを通るため専有部分内での工事を伴い、フローリングをはがしたり壁の一部に穴をあけたり日常生活にまともに影響を与えることでしょう。室内工事となるので留守で入れない部屋があると工期にまでしわ寄せが来るなど、まさに施工業者と区分所有者の“二人三脚”だ。互いの協力なしでは成しえない作業といえます。
 さらに構造上も制約が多いです。給水は圧力ポンプなど外力によって行うが、排水は重力による自然落下によって行う。そこで床下とコンクリートスラブの狭いすき間に勾配をつけて排水管をはわせるが、排水管は給水管にくらべ口径が大きいため設計上の制約が多くなってきます。
 また、専有部分と共用部分の境界のあいまいな線引きが困難を助長しています。専有部分の維持管理は区分所有者が、共用部分は管理組合が行うこととなるが、床下の給排水管がどちらに該当するかは裁判ざたに発展するほど意見が分かれており、そのため工事の際の費用負担や責任の所在が不明瞭になりやすい。事前に十分な説明をして、もめ事がないようにすることがなにより重要だとおもいます。

バリアフリー化?


 
というと誰もが「段差の解消」を連想しますが、本来は障害(バリア)をなくす(フリーにする)という意味です。
 03年4月にハートビル法(高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律)が改正されたのも、あまりにも急激な勢いで高齢化が進むため、「人間の高齢化」が「建物の高齢化」より勝ってしまい、その結果一部の人の利用に不便をきたすことになってしまったからだそうです。
本法でいう特定建築物とは当初、病院、百貨店、ホテル、老人福祉センターなど、不特定多数の人が出入りする公共性の高い建築物としていたが、改正後には共同住宅がその範囲に加えられ、努力義務として分譲マンションにも適用が拡大されました。

  

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